ピアノレッスンは、先生と生徒が1対1で行われることがほとんどです。
人気の習い事である、英会話、体操、ダンス、水泳などはどれも集団で受けることが多いのでピアノレッスンの環境は特殊なものと言えますよね。
個人レッスンは、先生が1人の生徒とその時間を全力で関わることができるので、一人一人に合わせた細やかなサポートが可能です。
ピアノの技術だけでなく、人としてのマナーを大切にされる先生も多いのではないでしょうか。
今回はりおピアノ教室で身につくマナーを、シーン別に紹介していきます♪
特別むずかしいものはありませんが、お家で親御さんがしつこく言うより、ピアノの先生である他人に教えてもらったことならすんなり聞けるのが子どもというものです。
社会に出てもたくさんの人に愛される人になるよう、思いやりの心(マナー)を身につけましょう。
教室でのマナー
玄関で靴をそろえる
教室の玄関を開けると『くつをそろえましょう』という貼り紙があります。
ここで生徒さんたちはみんな靴をそろえて上がってきてくれます。
レッスンが楽しみで靴をそろえ忘れてしまった子には、私からの『くつそろえておいで〜』の一言できちっとそろえられる生徒さんばかりです。
幼児さんはお友達の家へ1人で遊びにいくことがほとんどありませんよね。
このような時期からこうした経験を積むことで、1人でお友達のお家へお邪魔することがあっても安心だと保護者の方から言っていただけます。
最近は小学生でもお友達のお家へいくことが減っているので、日頃からこういった良い習慣をつけていくことはとても大切です。
お家でもきちっとそろえられるようになり、玄関がいつも綺麗な状態であることがどれほど気持ち良いことか、幼い時にこそ伝えていきたいことの1つです。
ピアノを弾く前に手洗いをする
玄関を上がるとすぐに洗面を設置しています。
レッスン室へ入る前にここで手洗いをしてもらいます。
外から入ってきたら手を洗うという習慣も大切ですし、ピアノを弾く前に手を綺麗にすることは当たり前のこととして伝えています。
トイレは蓋を閉めて流す
レッスン室の隣にあるお手洗いの壁にも『フタをしめてながしましょう』と貼り紙をしています。
これはコロナ禍で感染症対策としてたくさんのお店でよく見られるようになりましたね。
蓋を開けたまま流すと、床や壁に菌が飛び散ってしまいます。
何よりも、蓋が閉じている方が、次に入った人が気持ちが良いですよね。
教室でのマナー
靴をそろえる・手洗いをする・蓋を閉めて流す
次に使う人など他人のことを思いやって行動すること、マナーを通じてその気持ちを育てていきたいと考えています。
レッスン中のマナー
レッスン中のマナーとして教えていることは大きく3つあります。
・ご挨拶は目を見て姿勢を正してすること
・月謝袋など何かを手渡しするときの渡し方
・お返事をしっかりすること
目を見て姿勢を正してご挨拶をする
レッスンを始めるとき、
ジャン!とドミソの和音が聴こえると、背筋を伸ばして足をそろえます。
次のジャーンと長い和音の時には頭を下げて『よろしくお願いします』とご挨拶をします。
ステージでのお辞儀にもつながってきますが、足をきちんとそろえることを意外にしていない子が多く、体幹がなければそろえてお辞儀することすら難しいようです。
これも訓練のひとつで、いつもおじぎの時は足をそろえるよと伝えておくと、自然に体幹がつきステージでのお辞儀も綺麗にできるようになっていきます。
そして目を見て挨拶をすること。
小さい子は照れたり、甘えてしまったりでできない日もありますが、そんな日もあっていいと思っています。
毎週伝え続けることで必ずできるようになっていきます。
お月謝袋を手渡しするときの心配り
お月謝は毎月渡すものです。
その時に両手で・絵柄を先生の方に向けて『今月もお願いします』と一言添えて渡してもらうようお伝えしています。
人にものを渡す時、自然に向きを変えることができる人はどのくらいいるでしょうか?
私が中学校で音楽教員をしていたとき、それができる子が少なすぎることに驚きました。
教室の子たちには、いつも相手が見やすいように渡せる子に育てていきたいという思いから、お月謝袋の渡し方にはこだわっています。
実際に生徒さんたちはどんなものでも私に何かを渡すときは向きを変えて渡してくれるようになりました。
これも相手の立場になって考えた時に大切な習慣だと思っています。
返事をする
先生に何かアドバイスを受けた時は『はい』と返事をすること。
これも意識して伝えていかなければできるようにはならないと思っています。
何か指示を受けた時は『はい』と返事をしてからピアノを弾く。
これからいろいろなことを学んでいく中でとても大切なことです。
発表会などのステージマナー
ステージに立つ時、演奏の前後に必ずお辞儀をしなくてはなりません。
緊張していると、日頃からの習慣が必ず現れてしまいます。
姿勢が悪い、足が開いたまま、目線が下がる…
など演奏を聴く前にがっかりしてしまうことがあります。
ステージの前には必ずおじぎの練習をします。
歩き方、頭の下げ方、手の位置などを一緒に確認してお家でも練習するようお願いしています。
保護者の方からも『いつも先生にお辞儀をきちっとするように言われているので、いろいろな場所でお辞儀を褒められるんです』というお声をいただくことが多いです。
ステージでのお辞儀は、今日ここで演奏できるのはお家の人の助けがあったり、聞いてくれるお客さんがいるということへの感謝の気持ちだということも一緒に伝えています。
また、演奏中だけでなく、他の人の演奏を聴くときは静かにすること、足音や紙の音などを立てないようにすることも小さい頃から学んでいきます。
以上が教室で取り組んでいることの一部です。
最初から完璧にできる子はいません。
レッスンを通して少しずつできるようになり、思いやりの心や心配りができる人に育てていきたいと常日頃感じています。
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